FXの取引画面を開くと、「成行」「指値」「逆指値」、さらに「IFD」「OCO」「IFO」と、似たような言葉がたくさん並んでいます。はじめて見たときは、どれを選べばいいのか分からず、とりあえず成行で入っていた、という人も多いのではないでしょうか。僕も最初はそうでした。
そして、成行で入ったあとに「どこで利確しよう」「どこで損切りしよう」と考え始めて、迷っているうちに損失が大きくなる。これが、始めたばかりのころの僕の負けパターンでした。注文方法を覚えることは、実は「入ったあとに迷わないしくみ」を作ることでもあります。今日は、FXの注文方法の違いと、僕が実際にどう使っているかをまとめます。
- 成行・指値・逆指値の違いと、それぞれの使いどころ
- 決済にも指値・逆指値を使う考え方
- IFD・OCO・IFOの組み合わせ注文のしくみ
- 僕が「入る瞬間に出口まで決める」理由と、逆指値の動かし方
FXの注文方法は「いつ・いくらで約定させるか」の違い
FXの注文方法はたくさんあるように見えますが、基本は3つだけです。違いは、「いまの価格ですぐ取引するのか」「決めた価格になったら取引するのか」、そして決めた価格がいまより有利な方向なのか、不利な方向なのか、という点です。
- 成行注文:いまの価格で、すぐに取引する
- 指値注文:いまより有利な価格になったら取引する
- 逆指値注文:いまより不利な価格になったら取引する
この3つに、「新しくポジションを持つとき」と「ポジションを決済するとき」の2つの場面がかけ合わさって、いろいろな注文ができあがっています。順番に見ていきます。
成行注文:いまの価格ですぐに買う・売る
成行注文は、価格を指定せずに「いまの価格で取引します」という注文です。ボタンを押せばすぐに約定するので、いちばんシンプルで分かりやすい方法です。
成行注文が向いているのは、チャートを見ていて、入る条件がそろったのを自分の目で確認できたときです。僕も、条件がそろったのを確認してから入るので、成行を使う場面が多いです。条件がそろった瞬間に入れるので、チャンスを逃しにくいのがよいところです。
気をつけたいのは、値動きが激しいときです。重要な経済指標の発表直後などは、ボタンを押した瞬間と実際に約定した価格がずれることがあります。これをスリッページといいます。ふだんの相場ではほとんど気になりませんが、動きが急な場面では成行で飛び乗らないほうが安全です。
指値注文:いまより「有利な価格」まで待つ
指値注文は、「この価格まで下がったら買う」「この価格まで上がったら売る」というように、いまより有利な価格を指定する注文です。たとえば、いまの価格が150.00円で、149.80円まで下がったら買いたいときに使います。
指値注文のよいところは、チャートにはりついていなくても、決めた価格で入れることです。一方で、指定した価格に届かなければ約定しません。また、届いたとしても、そこで反発するとは限りません。価格だけを決めて置いておくと、想定していなかった勢いで下がっている最中に約定して、そのまま逆行することもあります。
僕はエントリーに指値を使うことはあまりありませんが、利確(利益確定)には指値をよく使います。これはあとで説明します。
逆指値注文:いまより「不利な価格」になったら動く

逆指値注文は、指値注文とは反対に、いまより不利な価格を指定する注文です。「この価格まで上がったら買う」「この価格まで下がったら売る」という使い方をします。
「わざわざ不利な価格で取引するの?」と思うかもしれません。でも逆指値には、大きく2つの使いみちがあります。
- 損切り:買ったあと、ここまで下がったら決済する、という「負けの出口」を先に置いておく
- ブレイクでの新規エントリー:高値を抜けて上がり始めたら買う、という「動き出してから入る」注文
FXでいちばん大事な注文は、この損切りの逆指値だと僕は考えています。チャートを見ていないあいだに相場が急に動いても、逆指値を置いておけば、決めた損失で止めることができます。逆に、逆指値を置かずにポジションを持つのは、ブレーキのない車で走るようなものです。
ブレイクでの逆指値エントリーは便利ですが、抜けたように見えてすぐ戻る「だまし」にもそのまま約定してしまいます。この点はブレイクアウトのだまし対策を読んでから使うのがおすすめです。
決済にも指値・逆指値を使う(利確は指値、損切りは逆指値)
ここまでの注文は、新しくポジションを持つときの話でした。同じ考え方は、ポジションを決済するときにも使えます。
- 利確の指値:買ったあと、ここまで上がったら決済する(いまより有利な価格)
- 損切りの逆指値:買ったあと、ここまで下がったら決済する(いまより不利な価格)
取引画面では、利確の指値は「T/P(テイクプロフィット)」、損切りの逆指値は「S/L(ストップロス)」と書かれていることが多いです。MT4やMT5なら、注文画面のこの2つの欄に価格を入れるだけで設定できます。MT4の基本的な使い方はXMのMT4の設定手順でも紹介しています。
組み合わせ注文:IFD・OCO・IFOのしくみ

成行・指値・逆指値を組み合わせた注文もあります。名前がややこしいのですが、しくみは難しくありません。
IFD(イフダン)注文
「もし(IF)この注文が約定したら(Done)、次にこの注文を出す」という2段階の注文です。たとえば「149.80円で買えたら、150.20円で利確する」というように、入る注文と決済の注文をセットで出しておけます。
OCO(オーシーオー)注文
「片方が約定したら(One Cancels the Other)、もう片方は取り消す」という注文です。ポジションを持っているときに、利確の指値と損切りの逆指値を同時に置いておき、どちらかが約定したら、もう一方は自動で消えます。
IFO(アイエフオー)注文
IFDとOCOを組み合わせたものです。入る注文が約定した瞬間に、利確と損切りの両方が自動でセットされます。入った時点で、勝ったときの出口と負けたときの出口の両方が決まっているので、僕はこの形がいちばん大事だと考えています。業者やアプリによっては、IFOを「IFD-OCO」と呼んでいることもあります。
僕が「入る瞬間に出口まで決める」理由
僕は、エントリーした瞬間に利確と損切りの両方が入るようにしています。YouTubeの動画でも実際の画面をお見せしたのですが、たとえば買いで入ったら、その瞬間に上に利確、下に損切りが自動で置かれる、という設定です。
これには理由があります。ポジションを持ったあとの自分は、持つ前の自分より判断が甘くなるからです。含み益が出ると「もう少し伸びるかも」と欲が出て、含み損が出ると「もう少しで戻るかも」と期待してしまいます。ポジションを持つ前の、冷静なときに決めた出口のほうが、ほとんどの場合は正しいのです。
始めたばかりのころの僕は、入ってから損切りの場所を考えていました。そして、損切りの逆指値を置いても、価格が近づいてくると後ろにずらしてしまう。それで損失が大きくなるのをくり返しました。損切りができない心理については損切りができない心理と対策でくわしく書いていますが、いちばん効いた対策は、入る前に出口を決めて、入った瞬間に注文として置いてしまうことでした。注文方法は、自分の感情を取引から外すための道具でもあるのです。
逆指値は「利益の方向」にだけ動かす

「入った瞬間に出口を決めたら、それ以上は何もしないの?」と聞かれることがあります。僕は、損切りの逆指値だけは、利益の方向に動かすことがあります。
たとえば買いで入って、狙いどおりに伸びたとします。そのとき、最初に置いた損切りの位置を、エントリーした価格の近く(建値)まで上げます。さらに伸びたら、確保しておきたい利益の分だけ、また上げます。こうしておくと、そこから相場が戻ってきても、最低限の利益を残して決済されます。伸びていくあいだは、利確の位置も上にずらして、利益を伸ばすこともあります。
大事なのは、動かしてよいのは利益の方向だけということです。損失が広がる方向に損切りを動かすのは、最初に決めたルールを自分でこわすことになります。また、損切りの位置をいまの価格に近づけすぎると、ふつうの小さな値動きで決済されてしまいます。業者によっては、いまの価格から一定の幅を空けないと逆指値を置けないルールもあるので、自分の口座の条件を一度確認しておくと安心です。決済のしかたはFXの分割決済のやり方もあわせてどうぞ。
場面別:初心者におすすめの注文の使い方

ここまでの話を、実際の場面に当てはめてみます。
チャートを見ていて、入る条件がそろったのを確認できたときは、成行で入って、すぐに利確の指値と損切りの逆指値を置きます。取引ツールによっては、成行注文の画面で最初からT/PとS/Lを入れておけるので、それを使えば入った瞬間に出口が決まります。
仕事中などで、チャートを見ていられないときは、無理にトレードしないのがいちばんです。それでも入りたい場合は、IFOで、入る価格・利確・損切りの3つを全部決めてから注文を置きます。見ていないあいだに入って、見ていないあいだに決済される形です。ただし、指値で待つ注文は、想定していない勢いの中で約定することもあるので、置きっぱなしにせず、チャートを見られるときに状況を確認してください。
どちらの場合でも共通するのは、損切りの逆指値がないポジションは持たないことです。損切りの幅が決まれば、1回の損失額からロットも逆算できます。この計算はFXのロットの決め方を参考にしてください。
注文方法でよくある失敗
- 損切りの逆指値を置かずに入る……「見ているから大丈夫」と思っていても、急な動きには手が追いつきません。見ているときほど、損切りは注文として置いておきます。
- 損切りの逆指値を後ろにずらす……いちばん損失が大きくなるパターンです。動かすのは利益の方向だけ、と決めておきます。
- 指値を置いたまま忘れる……前の日に置いた指値が、状況の変わった相場で約定することがあります。使わなくなった注文は取り消しておきます。
- 指標発表の前後に成行で入る……スリッページで、思っていた価格とずれて約定しやすくなります。指標の時間は入らないほうが安全です。
よくある質問
成行と指値、エントリーはどちらがいいですか?
チャートを見ながらデイトレードをするなら、条件がそろったのを確認して成行で入るほうが、初心者には分かりやすいと思います。指値で待つと、確認する前に約定してしまうことがあるからです。どちらの場合も、入った瞬間に出口を決めることのほうが大切です。
逆指値を置けば、必ずその価格で決済されますか?
ふだんの相場では、ほぼその価格で決済されます。ただ、指標発表の直後や、週明けに価格が大きく飛んで始まったときなどは、指定した価格より不利な価格で約定することがあります。逆指値は万能ではありませんが、置かないよりずっと安全です。
損切りの幅は、何pipsにすればいいですか?
決まった数字はありません。僕は「エントリーの理由が崩れる場所」に損切りを置いています。たとえば押し目買いなら、押し目の安値を下に抜けたら、買った理由がなくなります。幅はそこから決まり、その幅に合わせてロットを調整します。
スマホアプリでも、利確と損切りを同時に置けますか?
多くのスマホアプリやMT4・MT5のアプリで、注文するときにT/PとS/Lを入れられます。業者によって画面や呼び方が違うので、実際にお金を入れる前に、デモ口座などで一度操作を確かめておくと安心です。
まとめ
- 注文方法の基本は、成行(いますぐ)・指値(有利な価格で)・逆指値(不利な価格で)の3つ
- 決済では、利確に指値、損切りに逆指値を使う
- IFOなら、入った瞬間に利確と損切りの両方が決まる
- 持つ前の冷静なときに決めた出口が、いちばん正しいことが多い
- 損切りの逆指値は、利益の方向にだけ動かす。損失の方向には動かさない
次にトレードするときは、エントリーのボタンを押す前に、利確と損切りの価格を2つとも紙に書いてみてください。書けないなら、まだ入る準備ができていないサインです。書けたら、その2つを入った瞬間に注文として置く。それだけで、入ったあとの迷いはかなり減ると思います。
この記事は、FX初心者ロードマップの「取引の準備」をくわしくしたパートです。損切りの考え方は損切り貧乏から抜け出す5つのステップ、利確と損切りのバランスはリスクリワード比の考え方もどうぞ。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引はご自身の判断と責任でお願いします。


