その日の損切りを、その日のうちに取り返そうとしたことはありませんか。負けた直後にすぐ次のポジションを持ち、しかもロットをいつもより大きくしてしまう。これが「リベンジトレード」です。僕もFXを始めたころ、これで1日の損失を何倍にも膨らませたことが何度もあります。
僕は11年連続で年間収支をプラスで終えていますが、その11年を振り返っても、いちばん資金を溶かした原因はリベンジトレードでした。今日は、リベンジトレードがなぜ起きるのか、そして僕がどうやってやめたのかを、具体的にまとめます。
- リベンジトレードとは何か。なぜ危険なのか
- 負けた直後に「取り返したく」なる理由
- リベンジトレードの典型的な悪循環
- コツコツドカンとの違い
- やめるための3つのルールと、僕が実際にやっていること
リベンジトレードとは何か
リベンジトレードとは、損切りした直後に、その負けを取り返そうとして、根拠のないまま次のポジションを持ってしまうことです。特徴的なのは、いつもよりロットが大きくなっていることが多い点です。「さっきの分も含めて取り返したい」という気持ちが、無意識にロットを膨らませます。
1回の損切りなら小さなダメージで済んだはずが、リベンジトレードによってもう1回、あるいは2回、3回と負けが重なります。結果として、その日1日の損失が、いつもの数倍に膨らんでしまう——これがリベンジトレードの怖さです。
なぜ負けた直後に「取り返したく」なるのか
これは意志の弱さの問題ではありません。人は損失を目の前にすると、冷静な判断ができなくなるようにできています。負けた直後は、「早くこのマイナスの感情を消したい」という気持ちが強くなり、それを消す手段として「もう一度トレードして取り返す」を選んでしまうのです。これは損切りができない心理とも共通する、プロスペクト理論に近い反応です。
厄介なのは、負けた直後ほど、値動きが「チャンスに見えてしまう」ことです。冷静なときなら見送るような場面でも、「ここで入れば取り返せるかもしれない」という思考が先に立ち、根拠のうすいエントリーをしてしまいます。頭では「根拠がない」とわかっていても、感情が先に発注ボタンを押させてしまう。これがリベンジトレードの厄介なところです。
リベンジトレードの典型的な悪循環

リベンジトレードは、①想定内の損切り → ②頭が熱くなる → ③根拠なく再エントリー → ④さらに負ける、という流れで進みます。厄介なのは、④で終わらずに⑤へ進んでしまうことです。負けが負けを呼び、気づいたときには1日の損失がいつもの数倍になっています。
この悪循環を止められる場所は、実は1つしかありません。②の「頭が熱くなった状態」で、チャートを閉じられるかどうかです。③に進んでしまってからでは、もう止まりにくくなります。
コツコツドカンとの違い
似た失敗に「コツコツドカン」があります。根っこは同じ「1回の負けを受け入れられない」という心理ですが、現れ方が違います。リベンジトレードは、負けたその場・その日のうちに取り返そうとする速攻型。コツコツドカンは、小さな勝ちを積み重ねたあと、ある1回の負けでそれまでの利益をまとめて失う遅効型です。詳しくはコツコツドカンの直し方で整理しています。どちらも対策は共通していて、「1回いくらまで負けるかを先に決める」ことが土台になります。
見分け方としては、「負けた直後に、ふだんよりロットが大きくなっているか」を振り返ってみてください。大きくなっているならリベンジトレードの傾向が強く、ロットは変わらないのに気づいたら大負けしているなら、コツコツドカンの傾向が強いといえます。両方が重なっている人も珍しくありません。
リベンジトレードが起きやすい場面
リベンジトレードは、どんな負け方をしたときでも起きるわけではありません。僕の経験では、特に起きやすい場面が3つあります。
- デイトレードで短時間に連続してエントリーしているとき:チャートを見続けている時間が長いほど、負けた直後にすぐ次を探してしまいます
- 経済指標の発表直後:値動きが大きく、「乗り遅れたくない」という焦りとリベンジの感情が重なりやすい場面です
- 含み損を長く抱えたあと、ようやく損切りしたとき:我慢していた分だけ感情の揺れが大きく、取り返したい気持ちも強くなります
自分がどの場面でリベンジトレードをしやすいかを知っておくと、その場面だけ特に注意する、あるいはその場面自体を避ける、という対策が立てやすくなります。経済指標の前後はそもそもトレードしない、というルールを作っている人も少なくありません。
僕がリベンジトレードで失敗した経験
正直に書くと、僕がFXを始めて半年〜1年ほどは、リベンジトレードだらけでした。決めていた損切り幅は資金の1〜2%だったのに、負けた直後に「今度は倍のロットで取り返す」と考えて、気づけば1日で資金の10%以上を失っていたこともあります。
変わったきっかけは、手法を変えたことではありません。「損切りしたら、理由に関係なく一定時間チャートを閉じる」というルールを、意志の力に頼らず物理的に実行するようにしたことです。閉じている間に頭が冷えると、さっきの値動きが「チャンス」ではなく「ただの値動き」に見えるようになります。
リベンジトレードをやめる3つのルール

①損切り直後は、理由に関係なく一定時間チャートを閉じる。「次は根拠があるから大丈夫」という思考も、熱くなっている証拠です。目安は30分、できればその日は終了にするのが安全です。
②1日の損失上限を、始める前に決めておく。「損切り2回まで」「資金の3%まで」など、達したら理由に関係なく終了にします。決め方はFX「1日の損失上限」の決め方で詳しくまとめています。
③「今日中に取り返す」を「今月トータルで取り返す」に言い換える。1回のトレードで挽回する必要はありません。次のチャンスは明日にも来週にもあります。時間の単位を広げるだけで、その場の焦りがかなり和らぎます。
それでも取り返したくなったときの対処法
ルールを決めても、最初のうちは「今なら大丈夫」という誘惑が出てきます。そんなときは、チャート以外の画面を開くのがいちばん効果的です。トレード記録を書く、散歩に出る、まったく別の作業をする。物理的にチャートから離れることで、熱が冷めるまでの時間を強制的に作ります。「我慢する」のではなく「見られない状態にする」のがポイントです。
僕がよくやるのは、負けた直後に「今日はもう終わり」とその場で声に出して言うことです。小さなことですが、言葉にすると自分の中で区切りがつきやすくなります。それでもチャートを見たくなる場合は、取引ツールのアプリ自体を一度アンインストールするくらいの強制力を持たせても構いません。
ポジポジ病・損切りができない心理との関係
リベンジトレードは、単独で起きるというより、他のクセと重なって起きやすい傾向があります。暇さえあればポジションを持ってしまうポジポジ病の人は、負けた直後の「入りたい」という衝動にも歯止めが効きにくくなります。また、損切りができない心理を抱えている人ほど、損切りした瞬間のダメージが大きく、リベンジトレードに走りやすくなります。根っこの原因はどれも同じ、「1回の負けを受け入れられない」ことです。
僕が実際にやっているルール

参考までに、僕が実際にやっていることを書いておきます。損切りしたらチャートを閉じる、1日の損切りは2回まで、取り返す単位は1日でなく1か月で考える、負けた直後は記録以外の画面を開かない、ロットは常に固定で負けた直後に上げない。どれも地味ですが、この5つを続けてから、1日で資金を大きく減らすことがなくなりました。
よくある質問
ルールを決めても、つい破って入ってしまいます
最初はそうなります。意志の力で我慢しようとせず、物理的にチャートを見られない状態を作ってください。散歩に出る、スマホの取引アプリを閉じるなど、「見えない」状態にするほうが確実です。
負けを取り返さずに終わるのは、悔しくないですか?
その日は悔しくても、1か月単位で見れば1日の負けは小さな一部です。リベンジトレードで大きく負ける1日をなくすほうが、トータルの収支には効きます。「今日中に」を手放すと、驚くほど気持ちが楽になります。
デイトレードだと、どうしても同じ日にもう一度入りたくなります
デイトレードでも、負けた直後の1回だけは避けてください。頭が冷えてから入る2回目・3回目は、根拠があれば問題ありません。危険なのは「負けた直後の、根拠のない再エントリー」だけです。
ロットを固定するのはなぜ大事なんですか?
リベンジトレードの被害が大きくなる最大の原因は、ロットを上げてしまうことです。ロットさえ固定していれば、リベンジトレードをしても被害は「いつもの負けがもう1回増えるだけ」で済みます。ロットの決め方はFXのロット(取引数量)の決め方にまとめています。
勝っているときにも同じことが起きますか?
起こります。連勝が続くと「もっと取れるはず」と気が大きくなり、根拠のないままロットを上げてしまう人がいます。これも仕組みは同じで、感情がロットの判断に入り込んでいる状態です。勝っているときこそ、決めたロットを淡々と守ることが大切です。
まとめ
- リベンジトレードは、損切り直後に根拠なく再エントリーし、ロットまで大きくしてしまうこと
- 原因は意志の弱さではなく、損失を早く消したいという心理的な反応
- 止める場所は1つ。「頭が熱くなった状態」でチャートを閉じられるかどうか
- コツコツドカンとは根っこが同じ。「1回の負けを受け入れられない」心理
- やめる方法は①一定時間チャートを閉じる ②1日の上限を先に決める ③「今日中に」を「今月トータルで」に言い換える
- ロットを固定しておくだけでも、被害の大きさはかなり変わる
まずは、次に損切りをしたら「理由に関係なくチャートを閉じる」を1回だけ試してみてください。それだけで、いつもの負けが大きな負けに変わることを防げます。
この記事は、FXで勝てない理由と抜け出し方(全体像)の一部です。あわせてポジポジ病の治し方、コツコツドカンの直し方、FX「1日の損失上限」の決め方もどうぞ。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引はご自身の判断と責任でお願いします。


