FXの大衆心理とは?読み方と使い方|「人数」ではなく「お金の量」で考えると勝ちやすい側が見えてくる

メンタル・大衆心理

「大衆心理を読め」とよく言われますが、実際にどう使えばいいのか分からない、という声をたくさんいただきます。僕自身、捉え方を間違えていたころは、大衆心理を意識するほど無駄なエントリーが増えていました。

この記事では、12年FXを続けて11年連続で年間プラスを出している僕が、大衆心理をどう考え、どうトレードに使っているのかをまとめます。考え方を1つ変えるだけで、チャートの見え方はかなり変わります。

FXの大衆心理とは?「多数派に乗る」ことではない

大衆心理と聞くと、「みんなが買いたいと思っている方向に乗ればいい」と考える方が多いと思います。でも、僕の考えは少し違います。

たとえば100人のトレーダーがいて、そのうち95人が買いたいと思っていても、価格が上がるとは限りません。相場を動かすのは「人数」ではなく「お金の量」だからです。95人がそれぞれ小さな金額で買っていても、残りの5人が大きな資金で売っていれば、価格は下に動きます。

相場を動かすのは人数ではなくお金の量、を示す図。人数で見ると買いたい人が9割で上がりそうに見えるが、お金の量で見ると少人数の売り側に大きな資金があれば価格は下に動く。見るべきはどちらにお金が多く集まりそうか
「みんなが上だと思っている」だけでは、上がる理由になりません。

つまり、大衆心理で考えるべきなのは「みんながどう思っているか」ではなく、「どちらの方向に、より多くのポジション(お金)が集まりそうか」です。ここを取り違えると、「みんな上だと思っているのに、なぜか上がらない」という場面で何度も負けることになります。

大衆心理を間違えると、無駄なエントリーが増える理由

よくあるのが、意識されているラインを少し上抜けた瞬間に「抜けた、みんな買うはず」と飛び乗るパターンです。ところが、ラインの近くには売りたい人の注文もたくさん残っています。買いの勢いが続かなければ、すぐに押し戻されて損切りになります。

このとき起きているのは、「買いたい人が多そうに見えた」けれど、「実際には売りのお金のほうが大きかった」ということです。自分が上がると判断しても、より多くの注文が上に向かわなければ、価格は上がりません。抜けた瞬間の飛び乗りがなぜ危ないのかは、ブレイクアウトのだまし対策でくわしくまとめています。

僕が見ているのは「どちらの圧力が強くなってきたか」

では、お金がどちらに集まりそうかをどう判断するのか。これは、ただ考えるだけでは正直むずかしいです。僕が見ているのは、チャートに出てくる「崩れ」や「ずれ」です。

  • 下落が続いていたのに、安値の更新が弱くなってきた(売りの圧力が弱まっている)
  • 意識されているラインで、何度も支えられている
  • 形が崩れて、それまでの流れとリズムが変わってきた

こうした変化が出てくると、「売りのポジションを持っている人たちが、そろそろ決済したくなる場所はどこか」が見えてきます。売りの決済は買い注文と同じ働きをするので、そこで価格が上に動きやすくなります。「自分がどう思うか」ではなく、「持っている人たちが次にどうしたくなるか」を考えるのが、僕の大衆心理の使い方です。

大衆心理が表れやすい4つの場所

お金がどちらに集まりそうかを読むとき、手がかりになるのが「多くの人が同じ場所を見ている価格」です。そこでは、同じように考えた人の注文がまとまって入るので、値動きに大衆心理が表れやすくなります。

  • キリのいい数字……ドル円なら150.00円や150.50円など。利確や新しい注文の目安にされやすい価格です
  • 直近の高値・安値……「ここを超えたら買い」「ここを割ったら売り」と考える人が多く、注文が集まります
  • 何度も止められた水平線……止められた回数が多いほど、次も意識されやすくなります
  • トレンドラインや移動平均線……多くの人が同じ線を見ているほど、反発や抜けが起きやすくなります

損切り注文(ストップ)が集まる場所で、値動きは加速する

もう1つ知っておきたいのが、損切り注文の集まる場所です。たとえば売っている人の多くは、直近の高値の少し上に損切りを置きます。売りの損切りは「買い注文」なので、価格がそこに届くと買いが一気に出て、値動きが加速します。

高値を抜けた直後に急に伸びたり、逆に伸びきったところですぐ戻されたりするのは、こうした損切りの注文が関係していることが多いです。「どこに、誰の損切りが置かれていそうか」を考えるのも、大衆心理を読むことの1つです。

実際のトレード:20分で約10pipsを取った場面

下の動画では、この考え方でリアルトレードをしています。4時間足で見ると戻り売りを考えたくなる形でしたが、下落の勢いが弱く、形にずれが出ていました。「売りのポジションを持ち続ける理由が薄くなってきた」と判断して、短い上昇だけを狙って買いで入りました。

狙いは最初から約10pipsです。損切りはすぐ下の、流れが変わったと言える場所に浅く置きました。結果は約20分で10pipsほど伸び、上の意識ラインが近づいたところで利確しています。ここで伝えたいのは金額ではなく、「この先いくらまで上がるか」を予想していないということです。今この瞬間、買いと売りのどちらのポジションを持つべきか。それだけを考えています。

「大衆の逆を行けば勝てる」は本当? 逆張りと順張りの考え方

「大衆は負けるのだから、大衆の逆を行けばいい」という考え方もよく見かけます。でも、僕はそうは考えていません。トレンドがはっきり出ているときは、多くの人と同じ方向にお金が流れているので、その流れに逆らうと何度も損切りになります。

僕が基本にしているのは、上位足の流れと同じ方向で、押し目や戻りを待って入ることです。大衆心理を使うのは「逆に張るため」ではなく、流れに乗る人の損切りや利確がどこで出そうかを読み、入る場所と出る場所を決めるためです。逆張りは、上位足で見て意識されたラインにしっかり届いたときなど、条件がそろった場面に限られます。

人は「損は持ち続け、利益はすぐ確定したくなる」

大衆心理の土台には、人の損と得の感じ方のくせがあります。行動経済学ではプロスペクト理論と呼ばれ、人は利益が出るとすぐ確定したくなり、損失が出ると「戻るかもしれない」と持ち続けたくなる、というものです。

相場の参加者の多くがこのくせで動くので、含み損を抱えた人が「やっと建値に戻った」と決済する場所では、値動きが止まりやすくなります。自分の中の同じくせを知り、ルールで打ち消すことが大切です。損切りを置けない人は損切りができない心理と対策もどうぞ。

分かりにくい場面では、入らなくていい

大衆心理を意識すると、「どこでも読めるはず」と思ってしまいがちですが、そんなことはありません。僕にも、どちらにお金が集まるのか分からない場面はたくさんあります。そういう場面では、エントリーしません。分からないところで入るから負けるのであって、分かる場面だけで入れば、負けは自然と減っていきます。

特に、意識されたラインの近くでもみ合っているときは、上に抜けて見せたり下に抜けて見せたりと、だましが起きやすくなります。方向がはっきりしない場面の見極め方はレンジ相場の見極め方と対応を参考にしてください。

「エントリーできるパターン」を増やすことが近道

「分かる場面だけで入る」と言うと、エントリーの回数が減りすぎるのでは、と心配になるかもしれません。ここで大事なのが、自分がエントリーできるパターンを少しずつ増やしていくことです。

1つのパターンが週に1回しか来なくても、5つ持っていれば、ほぼ毎日どれかの場面に出会えます。最初はパターンが1つしかなくて、エントリーが少なくてもまったく問題ありません。それを積み上げた先に、安定した収支があります。パターンの土台になるのは、押し目買い・戻り売りやレジサポ転換のような、たくさんの人が意識する形です。

大きく取ろうとしない。リスクリワードで積み上げる

僕が1回のトレードで狙うのは、50pipsや100pipsではなく、損切りの幅に見合った10〜20pipsほどです。「それでは少ない」と感じるかもしれませんが、この積み上げで11年連続のプラスを続けてきました。

大きく取りたい気持ちが先に立つと、根拠の薄い場所で入ったり、利確を引っぱりすぎて利益を消したりしがちです。大切なのは、損切りを浅く置けて、取れる幅がそれより大きい場面を選ぶこと。考え方はリスクリワード比の考え方でまとめています。

週末の振り返りで「見え方」を育てる

お金がどちらに集まりそうかを見る目は、すぐには身につきません。キーボードのブラインドタッチと同じで、意識しながら繰り返すことで少しずつ慣れていくものです。

僕がおすすめしているのは、相場が動かない土日に、1週間のトレードを「良いトレード」と「悪いトレード」に分けて振り返ることです。悪いトレードは反省点を書き出してやめ、良いトレードは「なぜ入れたのか」を言葉にして次の週に生かします。上位足から下位足まで、エントリーの理由を説明できるかどうか。これを続けると、チャートの見え方が変わってきます。

動画の要約を音声でも聞けます

この動画の内容を、対談形式で要約した音声です。移動中などにどうぞ。

FXの大衆心理についてよくある質問

大衆心理は、どうやって勉強すればいいですか?

本を読むより、自分のトレードを振り返るほうが身につきます。負けたトレードで「自分と同じように考えた人がどこで損切りしたか」を考えてみると、多くの人が同じ場所で同じ行動をしていることが分かってきます。

ポジション比率(売買比率)のデータは使えますか?

業者が出している個人投資家の売買比率は、参考にはなります。ただ、相場を動かす大きなお金の動きまでは分かりません。僕はデータより、チャートに出てくる高値・安値の更新や、ラインでの反応を重視しています。

大衆心理が読めない場面では、どうすればいいですか?

入らなくて大丈夫です。どちらにお金が集まるか分からない場面で入るから負けるので、分かる場面だけを待てば負けは自然に減っていきます。

初心者でも大衆心理を使えますか?

使えます。まずは「キリ番・直近の高値と安値・何度も止められた水平線」の3つにラインを引き、そこで値動きがどう反応するかを観察するところから始めてみてください。

まとめ

  • 相場を動かすのは「人数」ではなく「お金の量」
  • 大衆心理で考えるのは「どちらにより多くのポジションが集まりそうか」
  • 「持っている人たちが次にどうしたくなるか」を、崩れやずれから読む
  • 分からない場面では入らない。エントリーできるパターンを少しずつ増やす
  • 大きく狙わず、リスクリワードに見合った幅を積み上げる

負けてしまう人の考え方の共通点はFXで9割の人が勝てない理由、全体像はFXで勝てない理由と抜け出し方でまとめています。あわせてどうぞ。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引はご自身の判断と責任でお願いします。

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