「同じような負け方を、何度もしている気がする」。そう感じたことはありませんか。損切りになったときは反省するのに、数日たつとまた同じ場面で同じように入ってしまう。僕もFXを始めて最初の半年から1年ほどは、まさにこの繰り返しでした。
いま振り返ると、原因ははっきりしています。自分がなぜそこで入ったのかを、どこにも残していなかったのです。記録がないので、反省も「なんとなく」で終わり、次のトレードに何も生かせませんでした。今日は、僕がいまも大事にしている「トレード記録」の付け方を、できるだけ具体的にまとめます。
- トレード記録とは何か。なぜ必要なのか
- 記録する項目は「エントリー理由・決済理由・結果」の3つだけ
- スクショの残し方と、記録するタイミング
- そのまま使える記録テンプレート
- 週1回の振り返りで「ズレ」を直すやり方
トレード記録とは?「なぜそこで入ったか」を残すメモ
トレード記録とは、1回1回のトレードについて「なぜ入ったのか」「なぜ決済したのか」「結果どうなったのか」を書き残しておくメモのことです。トレードノート、トレード日記と呼ばれることもあります。
ここで大事なのは、損益の金額を記録することが目的ではない、という点です。損益は口座の取引履歴を見れば、あとからいつでも確認できます。取引履歴に残らないのは、そのときの自分の判断です。どの時間足を見て、何を根拠に、どこで入ったのか。これは書いておかないと、数日で忘れてしまいます。トレード記録は、この「判断」を残すためのものです。
トレード記録をつけないと、同じ負けを繰り返す理由

負けたトレードの直後は、誰でも「次は気をつけよう」と思います。ところが、何に気をつけるのかがはっきりしないまま次のチャンスが来ると、人は結局いつもと同じ入り方をしてしまいます。記録がないと、負けた原因が頭の中の印象だけで終わるからです。
しかも、人の記憶はかなり都合よくできています。勝ったトレードは「狙いどおりだった」と覚えていて、負けたトレードは「急に動いた」「指標があった」と相場のせいにしがちです。これでは、自分のどこを直せばいいのかが永遠に見えてきません。
記録を続けていると、負けたトレードに共通点があることに気づきます。「上位足と逆向きのときに負けている」「タッチした瞬間に入ったときに負けている」「午後に入ったトレードばかり負けている」。こうした共通点が1つ見つかれば、次に直すことが1つ決まります。記録は、自分専用の「負けの取扱説明書」のようなものです。
僕の失敗談:負けた理由を「相場のせい」にしていた
始めたばかりのころの僕は、記録をまったくつけていませんでした。損切りになると「今日は相場が悪かった」「たまたまだ」と考えて、次の日にはもう忘れている。そして、また同じような場面で同じように入って負ける。これを何か月も続けていました。
転機になったのは、1回ごとに「なぜ入ったか」を短く書くようにしたことです。書き始めてみると、自分では「根拠があって入った」と思っていたトレードの多くが、実は「上がりそうだったから」「動き出したから」という、根拠とは呼べない理由だったことが分かりました。これはかなりショックでしたが、同時に直す場所がはっきり見えた瞬間でもありました。僕が月単位でプラスを出せるようになっていったのは、この「自分の入り方を文字で見る」習慣がついてからです。
記録する項目は3つだけ|エントリー理由・決済理由・結果

トレード記録というと、たくさんの項目を並べた表をイメージするかもしれません。でも、最初から項目を増やしすぎると、書くのが面倒になって続きません。僕が大事にしているのは、次の3つだけです。
①エントリー理由。なぜそこで入ったのかを、見た順番どおりに書きます。4時間足はどっち向きだったのか、1時間足のどの場所だったのか、5分足で何を確認したのか。「上がりそうだったから」は理由になりません。チャートの事実で説明できるかどうかがポイントです。見る順番そのものはFXデイトレード手法の基礎でまとめています。
②決済理由。なぜそこで利確したのか、なぜそこで損切りしたのかを書きます。「怪しいラインが近かった」「ローソク足の勢いが弱くなった」といった、簡単な理由で大丈夫です。大事なのは、入る前に決めていた場所で決済できたのか、それとも途中で怖くなったり欲張ったりして予定を変えたのか、を残しておくことです。
③結果。何pipsの勝ち・負けだったのか。そして、そのトレードがルールどおりだったかどうか。最後に「次に意識すること」を1つだけ書いておくと、次のトレードにそのままつながります。
スクショは「入った瞬間」と「上位足」の2枚を残す
文字の記録に加えて、できればチャートのスクリーンショットも残しておきます。あとから見返したとき、文字だけでは「本当にそこに根拠があったのか」が分からないことがあるからです。
残すのは2枚で十分です。1枚目はエントリーした瞬間の5分足。どのローソク足で入ったのかが分かるように、入った場所に印をつけておきます。2枚目は1時間足か4時間足。その5分足のエントリーが、上位足のどの場所で起きていたのかを残しておくためです。
スクショを見返すと、「その時は根拠がそろっていると思っていたのに、上位足で見るとただのレンジの真ん中だった」というようなことがよくあります。この「そのときの自分の見え方」と「あとから見た事実」のズレに気づけることが、スクショを残すいちばんの価値です。
記録のタイミング|書き終えるまで次のトレードはしない

記録は、1日の終わりにまとめて書くより、1回のトレードが終わるたびに、その場で書くのがおすすめです。時間がたつほど、そのときの判断を正確に思い出せなくなるからです。
そして僕がいちばん大事にしているのが、「記録を書き終えるまで、次のトレードはしない」というルールです。これは記録のためだけのルールではありません。損切りになった直後は、どうしても「すぐ取り返したい」という気持ちが強くなります。そのまま次のエントリーを探すと、根拠のうすい場所で入ってしまいやすいのです。
記録を書いている数分間は、頭を冷やすための「間(ま)」になります。「なぜ入ったか」「なぜ負けたか」を文字にしているうちに、気持ちが落ち着いてきます。熱くなって入るトレードが減るだけでも、収支はかなり変わります。損切り直後の取り返しトレードについてはリベンジトレードをやめる方法でもくわしく書いています。
そのまま使えるトレード記録テンプレート
ノートでも、エクセルでも、スマホのメモでもかまいません。僕が初心者の方におすすめしている形を、そのまま載せておきます。
| 項目 | 書く内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 日時・通貨ペア | いつ、何を | 9月25日 10:40/ドル円 |
| 方向・ロット | 買いか売りか、数量 | 買い/1万通貨 |
| 4時間足 | 上・下・どちらでもない | 上(高値・安値とも切り上げ) |
| 1時間足の場所 | どこで入ったか | 押し目のゾーン(前回の高値付近) |
| 5分足の確認 | 何を見て入ったか | 下ヒゲのあと高値を切り上げた |
| 損切り・利確の予定 | 入る前に決めた場所 | 損切り10pips/利確15pips |
| 決済理由 | なぜそこで決済したか | 予定の利確ラインに到達 |
| 結果 | pips、ルールどおりか | +15pips/ルールどおり |
| 次に意識すること | 1つだけ | タッチでなく反発を見てから入る |
「損切り・利確の予定」の欄は、入る前に書くのがポイントです。入ったあとに書くと、どうしても結果に合わせた数字になってしまいます。取れる幅が損切り幅の1.5倍に届かないなら、そのトレードは見送る。この判断も記録をつけるとやりやすくなります。考え方はリスクリワード比の考え方で説明しています。
振り返りは週1回。「勝ち負け」ではなく「ルールどおりか」で分ける

記録は、つけるだけでは半分です。残りの半分は振り返りです。僕がおすすめしているのは、相場が動かない週末に、その週のトレードをまとめて見返すことです。毎日細かく反省するより、1週間分を並べたほうが、共通点がはっきり見えてきます。
振り返るときは、トレードを「勝ち・負け」ではなく「ルールどおりだったか・ルール外だったか」で分けてください。ルールどおりに入って勝ったものは「良いトレード」。ルールどおりに入って負けたものは「良い負け」で、これは必要なコストなので直すところはありません。
問題は残りの2つです。ルール外で負けたものは「悪いトレード」で、共通点を1つ探して翌週はそこだけを直します。そして、いちばん気をつけたいのがルール外なのに勝ってしまった「たまたまの勝ち」です。勝ったので反省しにくいのですが、ここを放っておくと、根拠のないエントリーが「これでも勝てる」とクセになってしまいます。記録があれば、この危ない勝ちを見逃さずにすみます。
記録から見えてくる「ズレ」を直していく
記録を何週間か続けると、エントリー理由の欄に書いた内容と、スクショで見た実際のチャートが合っていないことに気づくはずです。「押し目だと思って買ったけれど、上位足で見るとまだ下げの途中だった」「反発を確認したつもりが、実際はタッチした瞬間に入っていた」。
この「自分ではそう見えていた」と「実際はこうだった」のズレこそが、直すべきポイントです。ズレが見つかったら、翌週はそのズレだけを意識してトレードします。一度に全部を直そうとせず、1週間に1つずつ。地味ですが、これがいちばん確実に上達する方法だと僕は考えています。
ズレが小さくなってくると、同じ場面で同じ判断ができるようになります。これが「再現性」です。記録から再現性を作っていく流れはFXの再現性の作り方で続きをまとめています。
エクセル・ノート・アプリ、どれでつけるべき?
道具は何でもかまいません。大事なのは、自分がいちばん続けやすいものを選ぶことです。
- ノート(手書き):書くことで頭に残りやすい。スクショは印刷するか、日付で保存したフォルダ名を書いておきます
- エクセル・スプレッドシート:勝率や平均pipsの集計がしやすい。項目は上のテンプレートの9つで十分です
- スマホのメモ・アプリ:外出先でもすぐ書ける。スクショと同じ場所に保存できるのが便利です
最初からきれいな表を作ろうとすると、それだけで疲れてしまいます。まずはスマホのメモに3行書くだけでも十分です。続けるうちに、自分に必要な項目が分かってきます。
トレード記録でやりがちな失敗
- 項目を増やしすぎる:最初は「エントリー理由・決済理由・結果」の3つだけで十分です
- 負けたときだけ書く:勝ったトレードも書かないと「たまたまの勝ち」が見えません
- あとでまとめて書く:時間がたつと、結果に合わせて理由を書き換えてしまいます
- 損益の金額ばかり見る:見るのは金額ではなく、ルールどおりだったかどうかです
- 書くだけで見返さない:週1回、まとめて見返す時間を先に決めておきます
- 直すことを一度に増やす:翌週に直すのは1つだけにします
よくある質問
トレード記録は、どれくらいの期間つけ続ければいいですか?
僕の考えでは、ずっとです。ただ、最初の数か月はしっかり書き、慣れてきたら項目を減らしていく、という形でかまいません。記録の目的は「ズレに気づくこと」なので、ズレが出てきたと感じたら、また丁寧に書く時期に戻せば大丈夫です。
デモトレードでも記録はつけたほうがいいですか?
はい、つけたほうがいいです。デモでもリアルでも、見るのは「ルールどおりに入れたか」です。デモのうちから記録の習慣をつけておくと、リアルに移ったときに感情で入るトレードを減らせます。
1日に何回もトレードする日は、全部書くのが大変です
全部書くのが大変なほど回数が多いなら、それ自体が入りすぎのサインかもしれません。僕は「書き終えるまで次は入らない」と決めているので、自然と回数が絞られます。入りすぎが気になる方はポジポジ病の治し方も参考にしてください。
記録を見返しても、何を直せばいいか分かりません
まずは負けたトレードを並べて、「4時間足の向きと同じ方向だったか」だけを確認してみてください。1つの観点だけで見ると、共通点が見つかりやすくなります。それでも分からないときは、第三者に見てもらうのも1つの方法です。実際の添削の例は添削事例1で紹介しています。
まとめ
- トレード記録は、損益ではなく「そのときの判断」を残すためのもの
- 記録がないと、負けの原因が「相場のせい」で終わり、同じ負けを繰り返す
- 項目は「エントリー理由・決済理由・結果」の3つだけでいい
- スクショは「入った瞬間の5分足」と「上位足」の2枚
- 記録を書き終えるまで、次のトレードはしない
- 週1回、「ルールどおりか」で4つに分けて振り返る。いちばん危ないのは「たまたまの勝ち」
まずは次のトレードから、入る前に「なぜここで入るのか」を1行だけ書いてみてください。書けないときは、そのトレードは見送っていい、というサインです。
この記事は、FXデイトレード手法の基礎の「練習と振り返り」をくわしくしたパートです。あわせてFXの再現性の作り方、全体の流れはFX初心者ロードマップもどうぞ。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引はご自身の判断と責任でお願いします。

