FXを始めると、必ず「ロットはいくつにすればいい?」で迷います。1万通貨なのか、5万通貨なのか、10万通貨なのか。僕も最初は「とりあえずこれくらい」と感覚で決めていて、そのせいで数連敗しただけで資金を大きく減らしていました。
12年やってきて分かったのは、ロットは「感覚」でも「いつも同じ枚数」でもなく、1回の損失額から逆算して毎回計算するものだということです。僕がエントリー前に見ているのは、「この1回で、最大いくら円まで負けるか」だけ。ロットはそこから割り算で自動的に出ます。
この記事では、そのロットの決め方をやさしく整理します。1回の損失を資金の何%にするかは1トレードの損失は資金の何%かで決めます。この記事はそこから先、「実際に何ロットで入るか」の計算の話です。
- ロット(取引数量)の単位。1ロットが何通貨か
- 損失額からロットを逆算する3ステップ
- 1pipの価値の出し方
- 「いつも同じ枚数」がいちばん危ない理由
- ロットを上げるとき・下げるとき
ロット(取引数量)の単位 — 1ロットが何通貨か

まず言葉の整理です。ロットは「どれだけの量の通貨を売買するか」を表す単位で、「1ロットが何通貨か」は業者によって違います。
- 国内FX:多くの会社で1ロット=1万通貨。1,000通貨単位の会社もあります
- 海外FX(XMなど):1ロット=10万通貨。0.01ロット(=1,000通貨)から取引できます
ここを勘違いすると事故ります。国内で「1ロット」に慣れた人が海外口座で同じ「1ロット」を入れると、10倍のポジションになります。まず、自分の使っている口座で「1ロット=何通貨か」を必ず確認してください。この記事では混乱を避けるため、「1万通貨」「10万通貨」のように通貨量そのもので説明します。
ロットは「損失額 → 逆算」で決める(3ステップ)

ロットの決め方は、次の3ステップです。
- 1回の損失許容額を出す。資金 × 1〜2%。資金50万円で2%なら1万円です
- 損切り幅を「構造」で決める。否定ポイント(根拠が崩れる場所)までの距離です。相場の形で毎回変わるのが自然。ここでは10pipsとします
- ロットを逆算する。ロット = 損失許容額 ÷(損切りpips × 1pipの価値)
1万円 ÷(10pips × 100円)= 10万通貨
このトレードは10万通貨で入る、ということになります。もし損切りが20pipsに広がる場面なら、ロットを5万通貨に落とします。損切り幅が2倍なら枚数を半分にすれば、損失額は同じ1万円のままです。
ここで大事なのは、「損失額を一定にするために、損切り幅ではなくロットで調整する」という順番です。損切りを浅くして枚数を維持すると、ノイズで狩られる損切り貧乏に戻ってしまいます。
1pipの価値の出し方
逆算に使う「1pipの価値」は、通貨ペアで変わります。よく使うものだけ覚えておけば十分です。
| 通貨ペア | 1万通貨あたり 1pipの価値 |
|---|---|
| ドル円・クロス円(ユーロ円など) | 約100円(1pip=0.01円 × 1万通貨) |
| ドルストレート(ユーロドルなど) | 約1ドル → 円換算(1ドル150円なら約150円) |
デイトレでドル円を中心にやるなら、「1万通貨で1pip=約100円」だけ頭に入れておけば、たいていの計算はできます。10万通貨なら1pip=約1,000円、5万通貨なら約500円です。
計算してみる — 資金別・損切り幅別の早見例

1回の損失を資金の2%に固定したときの、ロットの早見例です(ドル円・1万通貨で1pip=100円で計算)。
- 資金50万・損切り10pips:1万円 ÷(10 × 100)= 10万通貨
- 資金50万・損切り20pips:1万円 ÷(20 × 100)= 5万通貨
- 資金100万・損切り10pips:2万円 ÷(10 × 100)= 20万通貨
表を見ると分かるとおり、同じ資金でも、損切りが広い場面ほどロットは小さくなります。毎回この計算をするのが面倒に感じるかもしれませんが、慣れれば10秒です。電卓アプリでもできますし、証券会社によっては「損失額からロットを出す計算ツール」も用意されています。
「いつも同じ枚数」がいちばん危ない

初心者がいちばんやりがちなのが、「いつも5万通貨」のようにロットを固定してしまうことです。
ロットを5万通貨で固定したまま、損切り幅だけが場面によって変わると、こうなります。
- 損切り5pips → 損失は約2,500円
- 損切り20pips → 損失は約10,000円
- 損切り40pips → 損失は約20,000円
同じ「5万通貨」でも、リスク額が8倍も違います。これでは資金管理になりません。損切りが広い場面でたまたま負けが続くと、想定よりずっと速く資金が減ります。
正しいのは逆で、「1回の損失額」を固定して、ロットのほうを毎回変える。損切りが広い場面はロットを小さく、狭い場面は大きく。こうすれば、どの場面で負けても失う金額は同じです。
ロットを上げるとき・下げるとき
資金が増えてきたら、ロットも少しずつ大きくしていきます。ただし、タイミングを間違えると、それまでの利益を一気に失います。
- 上げるのは、月単位で負けなくなってから。勝ちが安定していないうちにロットを上げると、増えた直後の1敗が大きくなって、利益が飛びます
- 上げ方は「資金の増加に合わせて少しずつ」。「1回の損失=資金の2%」を守っていれば、資金が増えた分だけ自然にロットも増えます。倍々にはしない
- 下げる基準も決めておく。僕は「口座のピークから−10%まで減ったら、ロットを1段下げる」というルールにしています。調子が悪いときに深追いしないための仕組みです
ロットの上げ方・下げ方は複利と単利どちらで増やすかで、1日単位で負けを止める仕組みは1日の損失上限の決め方で整理しています。
証拠金には必ず余裕を残す
ロットが決まると、そのポジションを持つのに必要な「証拠金」が決まります。ここで注意したいのは、「持てる」と「持っていい」は別だということです。
口座に入っているお金ギリギリまでロットを入れると、少し逆行しただけで証拠金維持率が下がり、含み損に耐えられなくなります。すると、決めていた損切りを待たずに、不安で早々に決済してしまう。あるいは、維持率が一定ラインを割って強制的に決済(ロスカット)されます。
ロスカットを「損切りの代わり」にしてはいけません。ロスカットに任せている時点で、その1回で資金の大半を失います。損切りは必ず自分で、否定ポイントに逆指値で置く。そのうえで、証拠金にはいつも十分な余裕(含み損が来ても平常心でいられるくらい)を残しておきます。
よくある間違い
① ロットの枚数を固定している。「いつも5万通貨」だと、損切り幅で毎回リスク額が変わります。固定するのは枚数ではなく「損失額(%)」です。
② 損切りを浅くしてロットを維持する。「リスクを抑えたいから損切りを近くに」——これはノイズで狩られる原因です。損切りは構造で、調整はロットで。
③ 勝っているときにロットを上げすぎる。連勝すると気が大きくなって、いつもの2倍3倍で入りたくなります。増やすなら資金の増加に合わせて少しずつ。連勝直後の1敗が大きいと、利益がまとめて飛びます。
④ 口座資金いっぱいまでロットを入れる。証拠金に余裕がないと、含み損に耐えられず、決めたルールを守れません。
僕のロットの決め方
参考までに、僕が実際にやっていることです。
- エントリー前に「損切りは何pips → だから何通貨」を電卓で出してから発注する
- 1回の損失は資金の1〜2%。相場が読みにくい週は1%に落とす
- 証拠金には常に大きく余裕を残す。含み損で不安にならないロットにする
- ロットを上げるのは資金が増えたときだけ。連勝しても勢いで上げない
- 口座のピークから−10%まで減ったら、ロットを1段下げる
よくある質問
毎回ロットを計算するのが面倒です。決め打ちではダメですか?
損切り幅がいつもほぼ同じ手法なら、「この手法なら○万通貨」と決め打ちしてもある程度は回ります。ただ、損切り幅が場面で変わるなら、必ず毎回計算してください。慣れれば10秒です。
資金が少ない(5万円)と、計算するとロットが小さすぎます。
それで正解です。1,000通貨単位で取引できる口座を選べば、少額でも%を守った取引ができます。金額の大きさを追いかけて枚数を上げると、必ずどこかで無理をして退場します。
損切りは何pipsにすればいいですか?
pipsから決めないでください。まず「否定ポイント(根拠が崩れる場所)」で損切りの位置を決めて、その幅からロットを逆算します。損切り幅は相場の形で毎回変わるのが自然です。
複利でロットを上げていくのはいつからですか?
月単位で負けなくなってからです。勝ちが安定しないうちにロットを上げると、増えた直後の1敗が大きくなります。詳しくは複利と単利どちらで増やすかをどうぞ。
まとめ
- 「1ロット=何通貨」は業者で違う。まず自分の口座で確認する
- ロット = 損失許容額 ÷(損切りpips × 1pipの価値)で毎回逆算する
- ドル円は「1万通貨で1pip=約100円」だけ覚えれば計算できる
- 「いつも同じ枚数」は危険。固定するのは枚数ではなく1回の損失額
- ロットを上げるのは月単位で負けなくなってから。下げる基準も決めておく
- 証拠金には必ず余裕を残す。ロスカットを損切りの代わりにしない
まずは次のトレードで、「資金の2%はいくらか」「損切りは何pipsか」を出して、割り算でロットを決めてみてください。感覚で入っていたときとは、負けたあとの落ち着き方が変わります。
この記事は、FXの資金管理のやり方(全体像)の一部です。資金管理を最初から通しで読むならそちらへ。あわせて1トレードの損失は資金の何%か、FX初心者ロードマップもどうぞ。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引はご自身の判断と責任でお願いします。


