「押し目買いをしたつもりが、反発せずにそのまま下げていった」「戻り売りで入ったのに、戻りが止まらずに損切りになった」。デイトレを始めて半年〜1年くらいの方から、本当によくいただく相談です。
押し目買い・戻り売りは、トレンドに逆らわずにエントリーできる、いちばん基本的で勝率の高い入り方です。それがうまくいかないときは、やり方のどこかで「逆張り」になってしまっています。
僕は12年FXをやってきて、11年連続で年間プラスを続けていますが、エントリーの大半はこの押し目買い・戻り売りです。この記事では、その手順と、うまくいかない人が直すべきポイントを、実際のトレード例と図解で説明します。前提になる相場の見方は相場環境認識のやり方にまとめています。
押し目買い・戻り売りとは?
まず言葉の整理です。

- 押し目買い…上昇トレンドの中で、価格が一時的に下げた(押した)ところの終わりを狙って買う
- 戻り売り…下降トレンドの中で、価格が一時的に上げた(戻した)ところの終わりを狙って売る
どちらも「トレンドと同じ方向に、少し安く(高く)入る」という考え方です。トレンドに沿っているので、当たったときに伸びやすく、外れたときの損切りも浅くできます。以下は押し目買いで説明しますが、戻り売りはすべて上下を逆にするだけです。
うまくいかない人の2つの共通点
押し目買いがうまくいかない人には、はっきりした共通点が2つあります。僕のコミュニティでも、いちばん多い悩みの種です。

① 下げている最中に「そろそろ反発するはず」で買う
「ここまで下げたから、そろそろ戻るだろう」と予想して、まだ下げ続けている価格に買い向かう。これは押し目買いではなくただの逆張り、予想での逆張りです。反発するかどうか分からない段階で入っているので、ギャンブルになります。
② 何かにタッチしただけで「反発するはず」で買う
移動平均線や水平線に価格が近づいて、「タッチしたから反発するはず」と決めつけて買う。ラインはあくまで「反発しやすい候補地」であって、タッチ=反発ではありません。実際に反発の動きが出るまでは、ただ近づいただけです。
この2つに共通しているのは、「反発を”予想”して入っている」ことです。正しい押し目買いは、予想ではなく「反発を”確認”してから」入ります。ここが、うまくいく人といかない人の分かれ目です。
手順①:まずトレンドがあることを確認する
押し目買いは、上昇トレンドがあって初めて成立します。レンジ相場や下降トレンドで「押し目買い」をしようとすると、当然うまくいきません。
ここが「はい」でなければ、押し目買いの出番ではありません。「トレンドがある」ことの確認が、押し目買いの一歩目です。ここを飛ばして、下げているチャートを見て「押し目だ」と思い込むのが、失敗のパターン①です。
手順②:待つ場所(押し目の候補地)を決める
トレンドが確認できたら、「どこまで押したら買うか」を先に決めます。よく使う候補地は次の4つです。
- 直近で意識されている水平線(前の高値、前に反発した価格帯)
- 上昇トレンドラインまで下げてきたところ
- 移動平均線(20や75)に価格が近づいたところ
- 前の上昇幅の半分〜3分の1くらい戻したところ(押しの深さの目安)
これらが近くで重なっている場所は、それだけ多くの人が「買い場」として見ているので、反発の確率が上がります。逆に、候補地がどこにもない中途半端な位置は、待つべき場所ではありません。
ここでも、価格は「点」ではなく「ゾーン」で考えます。「128.00ちょうど」ではなく「127.90〜128.10のゾーンで反発の形が出たら」というくらいの幅です。
手順③:反発を「確認」してから入る
ここが最重要です。価格が待っていたゾーンまで下げてきても、まだ買いません。5分足に切り替えて、実際に反発した証拠が出るのを待ちます。

買いの場合に見る「反発の証拠」は、こういう動きです。
- 安値の切り下げが止まって、切り上げに変わった
- 長い下ヒゲのローソク足、または陽線の包み足が出た(ローソク足の見方)
- 5分足で小さなダブルボトムができた
- 5分足の下降トレンドラインを上抜けた
こうしたサインが出て、次のローソク足でも反発が続いたのを見てからエントリーします。「1本目の下ヒゲ」で飛び乗らないこと。2本目で確認、が基本です。この一手間で、失敗パターン①(下げ最中の逆張り)と②(タッチしただけで買う)の両方を避けられます。
手順④:損切りは「押し目が否定される場所」に置く
押し目買いのいいところは、損切りの場所が明確なことです。
- 損切りは待っていたゾーンの、少し外側(下)に置く
- そこを実体で割ったら、「押し目のつもりだったけど、トレンドが崩れた」ということなので、素直に撤退する
- ゾーンちょうどには置かない。少しのヒゲで狩られます。数pips〜十数pips、余裕を持たせる
損切り幅が広くなりすぎるなら、それは「エントリーが早い」サインです。もっとゾーンに引きつけて、反発を確認してから入れば、損切りは浅くなります。損切りの考え方は「損切り貧乏」から抜け出す5つのステップもあわせてどうぞ。
押しの「深さ」で相場の強さが分かる
どのくらい押すかで、そのトレンドの強さも読めます。
- 浅い押し(前の上昇幅の3分の1くらい)で反発…買いの勢いが強い。強いトレンド
- 半値くらいまで押して反発…普通。よくある押し目
- 前の上昇幅の3分の2以上、押し安値の近くまで下げる…勢いが弱っている。反発しても伸びにくい。慎重に
- 前の押し安値を実体で割る…上昇トレンドが崩れた可能性。押し目買いは見送り
「深く押すほど、トレンドが疑わしくなる」と覚えておくと、無理な押し目買いを減らせます。
戻り売りも考え方は同じ
戻り売りは、すべて上下を逆にするだけです。
- 4時間足・1時間足で下降トレンドを確認する(高値・安値が切り下がっている)
- 戻りの候補地を決める(意識された水平線、下降トレンドライン、移動平均線)
- 価格がそのゾーンまで戻ってきたら、5分足で反落の形を確認する(上ヒゲ、陰線の包み足、小さなダブルトップ、上昇トレンドラインの下抜け)
- 反落を確認してから売る。損切りはゾーンの少し上
下降トレンドのほうが値動きが速いことが多いので、戻り売りは「戻りが浅くて速い」点に注意します。ゆっくり戻ってくるのを待っていると、置いていかれることがあります。
エントリーした後はどうするか
押し目買いは、入ったあとの対応も決めておきます。
- 利確の目安…直近の高値、次に意識される水平線の少し手前。「切りのいい数字(00・50)」の手前も、他のトレーダーの利確が集まりやすいので意識します
- 建値ストップ…エントリー後、価格が思った方向へ十分に進んだら、損切りをエントリー価格まで引き上げます。ここまでくれば「負けないトレード」になり、気持ちに余裕が出ます
- 伸びないとき…エントリー後、しばらく反発せずにゾーンの中でもたついたら、想定と違うサイン。無理に持ち続けず、小さい利益や同値で撤退することも考えます
「どこまで伸ばすか」で迷いやすいですが、僕は直近の高値までで一度利確することが多いです。欲張って高値を超えるのを待つより、取れるところを堅く取るほうが、デイトレでは続けやすいです。トレンドがまだ強いなら、利確したあと次の押し目でまた入り直せばいいだけです。
押し目買いと「レジサポ転換」の関係
押し目買いの候補地として特に強いのが、直前に上抜けたレジスタンスです。抜けたレジスタンスは、戻ってくると今度はサポートとして働きやすい。これをレジサポ転換と呼びます。
「上昇トレンド+直前に抜けた水平線まで押してきた+そこで反発の形」——この3つがそろうと、押し目買いの中でもかなり優位性の高い場面になります。
実例:上昇トレンドの押し目を待って取ったトレード
下は、実際に僕が動画で解説したドル円のトレードの考え方を、模式図にしたものです。

4時間足・1時間足ともに、きれいな上昇トレンド。1時間足で、直前に上抜けたばかりの水平線があり、そこが20の移動平均線とも近い位置にありました。「ここまで押してきたら買い」と決めて、価格が下げてくるのを待ちました。
価格はその水平線ゾーンまで下げてきて、長い下ヒゲをつけて反発。5分足に切り替えると、安値の切り上げと小さなダブルボトムが確認できたので、2本目の陽線の確定を待ってロング。損切りは水平線ゾーンの少し下に置きました。その後、上昇が再開して十数pipsを取って利確しています。
失敗する人は、価格が水平線に届く前に「もう十分下げた」と買ってしまうか、水平線にタッチした瞬間に「反発するはず」と買ってしまいます。「ゾーンまで来て、反発を確認して」からという順番を守るだけで、勝率はかなり変わります。詳しくは下の動画で話しています。
やりがちな失敗
- トレンドがないのに押し目買いをする。レンジや下降で「押し目」と思い込む。まずトレンドの確認から
- 下げ続けている価格に買い向かう。「そろそろ反発」は予想。反発の形が出てから
- ラインにタッチしただけで買う。タッチ=反発ではない。反応を待つ
- 1本目のヒゲで飛び乗る。2本目で反発の継続を確認する
- 損切りをゾーンちょうどに置く。少しのヒゲで狩られる。外側に余裕を持たせる
- 深い押しを無理に買う。前の上昇幅の3分の2以上押したら、トレンドを疑う
よくある質問
押し目はどのくらい下げたら「押し目」ですか?
前の上昇幅の3分の1〜半値くらいが目安です。ただし「何%戻したか」より、「意識された水平線・トレンドライン・移動平均線まで来たか」「そこで反発の形が出たか」を優先して見ます。
反発を待っていると、エントリーが遅れて利益が小さくなりませんか?
多少は遅くなります。でも、予想で早く入って損切りになるより、確認して遅く入って勝つほうが、トータルでは残ります。取り逃しは損失ではありません。
移動平均線と水平線、どちらの押し目を狙うべきですか?
どちらか一方ではなく、「両方が近くで重なっている場所」を狙います。根拠が重なるほど、反発の確率が上がります。
押し目買いした後、すぐに含み損になったらどうしますか?
損切りラインまで動いていないなら、決めた損切りまで我慢します。損切りラインを実体で割ったら、迷わず撤退。「もう少し待てば戻るかも」で損切りをずらすのが、いちばんやってはいけないことです。
まとめ
- 押し目買い・戻り売り=トレンドと同じ方向に、少し有利な価格で入る基本の入り方
- うまくいかない人の共通点=①下げ最中の逆張り ②タッチしただけで買う(どちらも「予想」)
- 正しい手順=トレンド確認 → 待つ場所を決める → 反発を確認 → エントリー → 損切りはゾーンの外
- 「反発を予想して入る」のではなく「反発を確認して入る」
- 損切り幅が広いのは「入りが早い」サイン。もっと引きつける
- 前の上昇幅の3分の2以上押したら、トレンドを疑って見送る
押し目買い・戻り売りは、派手なテクニックではありません。「トレンドを確認して、決めた場所まで待って、反発を見てから入る」。この順番を守るだけで、勝率は大きく変わります。
この記事は、全くのFX初心者が毎月安定して稼げるプロトレーダーになるためのロードマップのステップ4にあたる内容です。あわせて相場環境認識のやり方、水平線の引き方、レジサポ転換はなぜ起こる?、マルチタイムフレーム分析のやり方もどうぞ。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引はご自身の判断と責任でお願いします。


