移動平均線の使い方|11年連続プラスの僕が「4時間足の20」1本だけ見る理由

チャート分析・手法

「移動平均線を5本くらい表示して、色がぐちゃぐちゃになって、結局どれを見ればいいのか分からない」。デイトレを始めて半年〜1年くらいの方から、よくいただく相談です。

先に、僕の結論を書きます。

僕は、4時間足に単純移動平均線(SMA)を1本だけ表示しています。期間は20。これだけです。

僕は12年FXをやってきて、11年連続で年間プラスを続けていますが、移動平均線は「主役」ではなく「補助」として使います。この記事では、その1本をどう使うのか、期間の意味、グランビルの法則、クロスの注意点、上位足の線の使い方まで、実際のトレード例と図解で説明します。方向の判断そのものはダウ理論の使い方、この記事はその補助線の話です。

移動平均線とは?

移動平均線とは、過去◯本ぶんの終値を平均して、線でつないだものです。期間20なら「直近20本の終値の平均」を毎回計算して線にしています。ローソク足の細かい上下をならして、流れを1本の線で見えるようにした道具、と考えてください。

この線から分かることは、大きく3つです。

  • 線の向き=そのあいだの平均的な流れ(上向きなら買い方向、下向きなら売り方向)
  • 線の角度=トレンドの強さ(急角度なら勢いが強い、寝ていればレンジ気味)
  • 線そのもの=サポート・レジスタンスとして意識されやすい価格帯

SMAとEMA、期間はいくつ?

移動平均線には、単純に平均するSMA(単純移動平均線)と、直近を重く見るEMA(指数移動平均線)があります。僕はSMAを使っています。反応は少し遅いですが、そのぶん多くの人が見ていて、だましが少ないからです。

期間は20。25でも21でも大きくは変わりません。大事なのは一度決めたら、コロコロ変えないことです。負けが続くたびに数字をいじると、どの設定が良いのか永遠に分からなくなります。

期間の数字には、ざっくりした意味があります。

  • 短期(20前後)…直近の勢い。デイトレで押し目・戻りの目安に使うのはここ
  • 中期(75前後)…数日〜1週間の流れ。短期線がこの線の上か下かで、地合いを見る
  • 長期(200前後)…数か月の大きな流れ。上か下かだけ、たまに確認すれば十分

最初は短期の20を1本。慣れてきて「もう1本ほしい」と思ったら、中期の75を足す。長期の200は、余裕が出てから、で構いません。

移動平均線を何本も表示すると判断が鈍る、4時間足にSMA20を1本だけにすると相場が見やすくなることの対比図
線を増やすほど「どれかには当たる」状態になり、判断が鈍ります。1本に絞ると、逆に相場がよく見えます。

移動平均線の3つの使い方

① 向きと角度でトレンドを「確認」する

高値・安値で判断した方向(ダウ理論)と、移動平均線の向きがそろっているかを見ます。「上昇トレンドで、移動平均線も上向き」ならエントリーの下地としては良好です。逆に、方向と線の向きが食い違うときは、無理に入りません。

あわせて角度も見ます。線が急な右肩上がりなら勢いが強く、押し目も浅くなりがち。線がほぼ水平なら、トレンドが弱いかレンジ気味なので、慎重に。

② サポート・レジスタンスとして使う

上昇トレンド中、価格が一度下げて移動平均線の近くまで戻ってきて反発することがよくあります。これが「移動平均線が支えになった」状態です。水平線と重なると、さらに強く効きます。

③ グランビルの法則(押し目・戻りの目安)

グランビルの法則は「価格と移動平均線の位置関係」からタイミングを見る考え方です。買い4つ・売り4つの計8パターンがあります。

  買いの4パターン 売りの4パターン(逆)
1 線が上向きに転じ、価格が線を上抜け 線が下向きに転じ、価格が線を下抜け
2 上昇中、価格が線を一時割ってすぐ戻る(押し目) 下降中、価格が線を一時超えてすぐ戻る(戻り)
3 上昇中、価格が線の手前まで下げて反発(押し目) 下降中、価格が線の手前まで上げて反落(戻り)
4 線から下に離れすぎた反動での戻り(乖離) 線から上に離れすぎた反動での押し(乖離)

全部覚える必要はありません。実戦で使うのは、買いの2・3(押し目)と、4(乖離)の考え方だけで十分です。

グランビルの法則:移動平均線にタッチして反発する押し目買いの目安と、線から離れすぎて戻る乖離の目安を示す図
押し目は「線にタッチして反発」で見て、乖離は「離れすぎたら飛び乗らない」の目安に。どちらも上位足の方向とセットで見ます。

「乖離しすぎたら戻りやすい」という感覚は、伸びきったところで飛び乗らないためのブレーキになります。線から大きく離れて上げているときは、買うのではなく、次の押し目を待つと決めておくと、高値づかみが減ります。

移動平均線がサポート・レジスタンスとして働く例

上昇トレンドがきれいに出ているとき、価格は移動平均線の少し上を、線に沿って上がっていくことがあります。下げても線の近くで何度も反発する。この「線が下から支えている」状態は、押し目買いを繰り返し狙える場面です。水平線と重なっていれば、さらに強く効きます。

上昇トレンドで価格が移動平均線の近くで何度も反発し、線が下から支えている状態を示す図
線に沿って上がる相場は狙いやすい形。逆に、線を挟んで上下を行き来しているときはレンジ=様子見です。

線と価格の「距離」で過熱感を見る

移動平均線は、価格との距離(乖離)にも意味があります。距離が広がるほど「行き過ぎ」、距離が縮まるほど「落ち着いた」と読めます。

たとえば、上昇トレンドで価格が移動平均線からどんどん離れて上に伸びているとき。勢いはありますが、同時に「そろそろ一度、線のほうへ戻る動きが来やすい」とも言えます。逆に、価格が線にぴったり張りついてジリジリ上がっているときは、押し目が浅く、強いトレンドが続きやすい状態です。

厳密な数値で測る必要はありません。「いつもよりずいぶん線から離れたな」と感じたら、それは新規で買う場面ではなく、次の押し目を待つ場面。この感覚だけで、高値づかみがかなり減ります。過去チャートで「大きく乖離したあと、価格がどう動いたか」を10回ほど見てみると、体でつかめてきます。

実戦での見方の例(4時間足→1時間足)

言葉だけだと分かりにくいので、順番を書きます。

  1. 4時間足を開く。SMA20が右肩上がりで、価格が線の上。高値・安値も切り上がっている。→「上昇トレンド。買い目線」
  2. 線の角度を見る。そこそこ急。→「押し目は浅めかもしれない。深い押しを待ちすぎない」
  3. いま価格が線からどれくらい離れているか見る。かなり上に離れている。→「今は追いかけない。線に近づくのを待つ」
  4. 1時間足に切り替える。価格が下げてきて、4時間足の20SMA(下位足にも表示)の手前まで来た。1時間足の安値が切り上がって、陽線で反発。水平線とも重なっている。→「ここが押し目」
  5. 5分足で小さな反発の形(ダブルボトムなど)を確認してロング。

移動平均線は、この流れの中で「方向の確認」と「押し目がどこに来そうか」の2つを担当しているだけです。入る・切るの最終判断は、値動きの形でします。

ゴールデンクロス・デッドクロスがだます理由

短期線が長期線を上抜けるのがゴールデンクロス、下抜けるのがデッドクロス。「買い・売りのサイン」として有名ですが、クロス単体で入るのはおすすめしません

理由は、クロスは動きの「あと」に出る遅行サインだからです。移動平均線は過去の平均なので、価格が動いてしばらくしてから、ようやく線が交差します。強いトレンドの初動では有効な場面もありますが、レンジ相場では、価格が少し上下するたびに2本の線が何度も交差して、そのほとんどがだましになります。

使うなら、「高値・安値の構造で上昇トレンドを確認 → そのうえでゴールデンクロスも起きていれば、後押しの1つとして見る」くらいの位置づけです。主役はあくまで値動きの構造です。

上位足の移動平均線を、下位足のチャートに出す

もう1つ、実戦的なコツです。4時間足のSMA20を、1時間足や5分足のチャートにも表示しておくという使い方があります(多くのツールで「上位足MTFの移動平均線」として表示できます)。

こうすると、1時間足を見ているときも、「いま4時間足の20SMAはどこにあるか」がひと目で分かります。1時間足の押し目が、ちょうど4時間足の20SMAと重なっていれば、それは複数の時間軸に支えられた強い押し目、と判断できます。時間軸の組み合わせ方はマルチタイムフレーム分析のやり方をどうぞ。

移動平均線「だけ」で判断しない

ここが大事です。移動平均線は、強いトレンドではよく効きますが、レンジになるとだましが増えます。線の上に価格があるだけで買う、線を割ったから売る、という単純な使い方は、横ばい相場で連続して損切りになります。

だから僕は、移動平均線を必ず「高値・安値の構造」と「意識されている水平線」とセットで見ます。移動平均線はあくまで、方向の確認と、押し目・戻りの目安。主役はあくまで値動きそのものです。水平線の使い方は水平線の引き方にまとめています。

実戦での3ステップ

  1. 4時間足にSMA20を1本だけ表示する。他の線は消します
  2. 高値・安値の方向と、線の向き・角度がそろっているか確認する。食い違うなら見送り
  3. その方向で、価格が線の近くまで戻って反発するのを待つ。水平線と重なっていれば、より強い狙い場です

下は、実際に僕が動画で解説した、4時間足の移動平均線を使った判断の考え方です。全体の流れを見たうえで、怪しいライン(意識されている価格)を上抜けし、グランビルの形になったところを狙う、という流れがイメージしやすいと思います。

よくある質問

移動平均線は何本表示すればいいですか?

まずは1本で十分です。慣れてきて「上位足の流れも同じ画面で見たい」と思ったら、中期の75を足す程度にします。3本以上は、たいてい情報過多になります。

EMAとSMA、どちらがいいですか?

どちらでも構いませんが、一度決めたら固定してください。僕はSMAです。反応が少し遅いぶん、多くの人が同じ場所で意識するので、だましが少ないと感じています。

パーフェクトオーダーは狙ったほうがいいですか?

短期・中期・長期の線がきれいに順番に並んだ状態(パーフェクトオーダー)は、たしかに強いトレンドのサインです。ただ、それが分かる頃にはトレンドがかなり進んでいることも多いので、「出てから飛び乗る」のではなく「その中の押し目を待つ」使い方にしてください。

ゴールデンクロス・デッドクロスは使えますか?

強いトレンドが出ているときは機能する場面もありますが、レンジではクロスが連発してだましだらけになります。クロス単体で入るのはおすすめしません。高値・安値の構造と、水平線を必ず合わせて見てください。

移動平均線を割ったら損切りすべきですか?

移動平均線は損切りの絶対的な基準にはしません。線は日々動くので、少しの逆行でも割れてしまいます。損切りは、直近の押し安値の下や、意識されている水平線の外側など、構造で決めるのが基本です。

まとめ

  • 移動平均線は「主役」ではなく「補助」。僕は4時間足にSMA20を1本だけ
  • 見るのは「向き・角度・線そのもの(サポレジ)」の3つ
  • 使い方は3つ=向きと角度で方向を確認/サポレジとして使う/グランビルで押し目・戻りの目安
  • 期間の数字はコロコロ変えない。20(短期)→75(中期)→200(長期)の順で足す
  • ゴールデン/デッドクロスは遅行サイン。単体で入らず、構造の後押しとして見る
  • 4時間足の線を下位足に表示すると、押し目の強さが分かりやすい
  • レンジではだましが増える。必ず高値・安値の構造と水平線とセットで見る

移動平均線は、1本に絞って「向き」と「タッチ」だけを見ると、急に使いやすくなります。線を増やして迷っている方は、まず全部消して、4時間足に1本だけ引くところから試してみてください。


この記事は、全くのFX初心者が毎月安定して稼げるプロトレーダーになるためのロードマップのステップ4にあたる内容です。あわせてダウ理論の使い方マルチタイムフレーム分析のやり方水平線の引き方もどうぞ。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘や利益を保証するものではありません。取引はご自身の判断と責任でお願いします。

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